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プリモ動物病院の人材育成と人財ビジョン

おせっかい力=構い力

生田目 このテーマって、結局個人個人の問題ですよね?
布 村 そうなったらもう話終わっちゃいますが、個人の学習力による差は大きいと思います。
生田目 今のプリモの人材育成において、一番意識していることはなんですか?
布 村 自分も犬を飼っていますが、飼い主の立場として病院へ行った時に、丁寧に扱ってもらえるかなという不安がまずあるので、そのような状況の時に、ペットにも飼い主様にも「大丈夫だよ」という安心感を与えることを、常に意識してほしいと思っています。
生田目 そういう観点から言えば、プリモのスタッフは、人に関心があり、思いやりのある人が多いですよね。
布 村 症例に関心を持つことも大事だとは思うけど、飼い主様が何を不安に思っているか、他のスタッフの仕事などに対して、気配り・目配りができるような、ある意味「おせっかい」な人。やっぱりそれは大事だと思うんですよね。相手を構う力。
生田目 だからその、「おせっかい力=構い力」というのが、特に人材の育成をしていく時に、病院内の先輩後輩、会社の上司部下の関係でも必要になってきますよね。
布 村 もうそこに尽きる、と思います。
生田目 プリモでは新人研修や院長の育成、専門性を高める研修などの仕組みがありますが、結局はその人間性の部分が重要だという事ですよね。
布 村 そうですね。研修などの仕組みと人間力のかけ算が、プリモ動物病院をつくっていると思います。

社会人としてのベースをしっかり作る

布 村 元々獣医師は自分で自己学習をするタイプですよね。そうすると、いかに「OJT」と「Off-JT」を充実させるかという事が課題です。 「Off-JT」に関しては、新人から3年目までのキャリアの育成を会社として整えていて、ほぼ完璧なところに今近づきつつあるかなと思っています。 ただ、「OJT」に関しては、先程のおせっかい力、構い力などによって、「OJT」の効果が変わってしまうのが、今のプリモの課題なんじゃないかと。
生田目 まず前提として、会社の研修というのは、一個人が社会人として世の中に出るその準備段階ということ。一般の企業では当たり前に行われていることですが、動物病院の業界ではこの研修制度があるところはかなり少ないのが現状ですよね。

布 村 今まで獣医師の業界では、それでよしとされていましたが、今飼い主様から求められている事は、そうではないですよね。だから社会人としてのベースをしっかり作り鍛えるという事が、今人材開発を担当している私の役割だと思っています。

プリモのキャリアプランについて

布 村 プリモ動物病院自体、とても症例数の多い病院なので、技術や経験値を上げたければ、グループ内の専門性の高い獣医師から学ぶ機会はふんだんにあります。総合診療とエマージェンシーを身につけたあとのキャリアプランは人それぞれですね。
生田目 大雑把に分けると、院長になるか専門医になるか、ですよね?

布 村 院長になって自分の個性を出した病院づくりをしたいとそのキャリアに進む人もいますし、そうではなく、プリモの特色でもある専門診療を極めるために、自分の専門領域に関わる症例を数多く経験したいという獣医師もいます。

生田目 女性のライフプランに合わせたキャリア構築もしやすいのではないでしょうか。産休を取って戻ってきてくれている獣医師が多いのは、彼女たちが活躍できるような仕組みがあるからだと思います。
布 村 人を大事にするという組織の風土が、みんなに伝わっていると思うんですよ。だから戻ってきたいと思ってくれるんだと思います。
生田目 あとキャリアプランという観点でいえば、現場以外でもマネージメントに興味があれば、本社などの運営側で活躍しているスタッフもいます。

働き方は人それぞれ

生田目 「いい職場=働きやすい職場」って、どういう事だと思います?
布 村 人それぞれの価値観がありますけど、いかに仕事における職業人としての充実感を得られるか、ということが私は大事だと思います。その為に必要なのは、職場での良好な人間関係が一つ、あとは新しいことに挑戦をして、成長の実感が得られることだと思っています。あとは主体性を持って、初めから自分の考えで行動する、自分が院長だったらこうする、というような想いを持って、仕事に臨んでもらいたいですね。
生田目 獣医師の世界も海外で活躍している人など様々なキャリアプランがあり、膨大な情報の海の中で溺れてしまうことが多くなる。だからこそ、ネットでの情報収集も大切ですが、主体的に自分のやりたいことを、周りからのフィードバックを得ながら、より考えを研いで完成させていくというか。そういう主体性は必要ですよね。
布 村 与えられるのが当たり前になっている人が多いですからね。
生田目 先程のキャリアプランでいうと、プリモで働いてから独立開業している人も多くいますよね。そういう人たちも、毎年のプリモ経営方針説明会には参加してくれたり、新人の研修もこちらで一緒に行ったりなど、長く良好な関係を築いています。
布 村 卒業していった人たちとそういった関係性を築いているというのは、中々少ないと思うんですよね。そこもプリモの良さだと思います。
生田目 卒業してからも、色々な場所で活躍してくれるのは、とても嬉しいですよね。
布 村 プリモで活躍できる人材を育てるけれど、それがプリモだけに留まらず世の中のために活躍できる人材に育ってほしいと思っています。

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